臍ヘルニア(いわゆる、でべそ)は臍帯(へその緒)が取れた後の腹筋がまだ完全に閉じていない穴から、腹圧が高まったときに腸が皮下に飛び出た状態をいいます。
生後1ヶ月くらいから目立ち始め、3ヶ月くらいまで大きくなります。しかし腹筋が発達してくる1歳頃までには90パーセント以上が自然に治ります。
しかし1,2歳を超えてもヘルニアが残っている場合や、とび出した皮膚が緩んで弛んだようになっている場合は手術が必要になることがあります。
治療はかつては絆創膏で固定する方法がありましたが、皮膚のかぶれを起こすことが多く近年は何もせずに経過観察し閉鎖が遅れた例や皮膚が弛んで醜くなった例では外科的手術をしておりました。
しかし周りから「でべそ」を指摘されるなど両親の精神的負担や、たとえ自然治癒してもその後に臍の皮膚の醜形を残すことやその醜形を治すために美容的観点から手術が必要になるなどの理由から、早期より積極的に治療しようという動きが出てきました。具体的には綿球あるいはスポンジを使ってお臍を圧迫しそれを特殊なフィルムで固定するという方法が行われます。
当院でもこの方法を採用しており、主観的ではありますが何もせずに自然経過に任せるよりは閉鎖が早いように感じ、また皮膚の弛みも少ないような印象をもっております。
ただし初期は当院で処置を行いますが、途中より家庭での処置に切り替えますので、こまめに処置してくださることが必要になってきます。勿論家庭で処置することに自信が無いという方は、当院で外来処置もいたします。